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  • 内痔核[いぼ痔]

内痔核の原因は排便時のいきみ。便秘・下痢をしないよう健康的な生活習慣を

肛門の内側には静脈叢(じょうみゃくそう)という大量の毛細血管が張り巡らされており、肛門をぴったり閉じるためのクッションのような役割を果たしています。排便時に強く・長時間いきむと肛門周辺に負担がかかり、静脈叢の血流が悪くなって内痔核(いぼ痔)が生じます。内痔核が発生する静脈叢には痛覚がないため、初期には出血がみられても痛みを感じることはほとんどありません。ただし進行して内痔核が脱出すると痛みを感じるようになります。

内痔核は[I度]肛門から脱出していない(排便時に出血がみられる)、[II度]排便時に内痔核が脱出するが自然と戻る、[III度]排便時に内痔核が脱出して手で戻さないと戻らない、[IV度]排便に関係なく内痔核が脱出したままの4つのタイプに分類され、重症度によって治療法が異なります。[I度]と[II度]は外用薬やフェノールアーモンドオイル(PAO)と呼ばれる効果のマイルドな注射治療(痔核硬化療法)が適応となります。[III度]の場合はジオン注射による治療が適応となり、[IV度]については切除手術が行われることが一般的です。

内痔核は便秘や下痢で長時間トイレに座り、肛門に負担がかかることによって生じます。そのため排便は3分を目安にし、長時間にわって強くいきむことは避けましょう。便が硬くならないように十分な水分摂取を心がけ、必要に応じて医療機関で便をやわらかくする薬を処方してもらうのもおすすめです。

星 加奈子 院長
横浜センター北ほしクリニック 内視鏡内科・肛門外科
星 加奈子 院長
横浜市都筑区/中川中央/センター北駅
●消化器内科 ●内視鏡内科 ●肛門内科 ●肛門外科
  • 心臓弁膜症

早期に診断し、心臓が悪くなる前に適切なタイミングで最適な治療を行うことが大切

弁膜症は心臓の4つの部屋の出入り口にある一方向弁(僧帽弁・三尖弁・大動脈弁・肺動脈弁)に不具合が起きる病気です。弁が開きにくいと狭窄、うまく閉まらないと逆流し、いずれも心臓に負担をかけるため悪化すると心不全となります。
生まれつき、弁の変性・経年劣化、細菌感染などが原因となります。症状は弁によって異なりますが、動くと息苦しい、胸が痛い、体がむくむなどです。しかしかなり重症にならないと症状が出てこないことが多く、気づいた時には心臓の機能が悪化していて良い治療ができないことも少なくありません。また、まれに急に弁が壊れる場合があり、その時は症状が強く現れます。
悪くなった弁は薬では治らず、治療はは手術またはカテーテル治療となります。いずれも重症の方が適応です。まず聴診で心雑音を見つけ、心臓超音波検査で詳しい診断を付けます。早期に診断し、心臓のポンプ機能が悪くなる前に適切なタイミングで最適な治療を行うことがもっとも大切です。

町田 大輔 院長
やまと小磯診療所
町田 大輔 院長
大和市/中央/大和駅
●内科 ●循環器内科 ●外科 ●訪問診療 ●健診・検診
  • 関節リウマチ

指の変形などを避けるため、何よりも早期発見・早期治療が大切

関節リウマチはさまざまな要因が重なりあって発症すると考えられています。特定の遺伝子を持つ人、喫煙習慣や歯周病のある人がかかりやすいことが分かっているほか、けがやストレスなどをきっかけに発症するケースも報告されています。つまり、もともと関節リウマチになりやすい体質の人が、何らかの外的要因によって発症すると考えてよいでしょう。

関節リウマチの症状が出やすい部位としては、手・足指の付け根と手首が挙げられます。この3つの部位に痛みがあり、さらに患部の腫れがみられる場合には関節リウマチが強く疑われます。また関節リウマチでは複数の部位に症状が出ることも特徴で、「左右の手首が痛む」「手首に加えて手の指の付け根も痛い」といった場合は関節リウマチである可能性が高いと言ってよいでしょう。

関節リウマチと診断がついた場合はまず「メトトレキサート」という飲み薬で治療を開始することが一般的です。少ない量から始めて症状をみながら必要があれば増量することで、約6割の患者さんが改善するといわれています。一方で飲み薬では症状の改善がみられない患者さんについては生物学的製剤(注射)を投与することになります。

関節リウマチは喫煙習慣や日々のストレスがきっかけで発症することがあるものの、生活習慣を見直したからといって必ずしも予防できるものではありません。何よりも大切になるのは早期発見・早期治療ですから、少しでも気になる症状があれば関節リウマチの専門家にご相談いただくとよいでしょう。

佐藤 理仁 院長
さとう埼玉リウマチクリニック大宮院
佐藤 理仁 院長
さいたま市大宮区/桜木町/大宮駅
●リウマチ科

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歯科医師から聞いた
『歯や口の病気』の対処・治療方法

  • 歯性上顎洞炎

片側だけ鼻が詰まる。奥歯の炎症は看過せずにすぐ治療を

歯を悪くした患者さんで、鼻の奥の副鼻腔に炎症を起こす蓄膿症になる方がいます。両側の場合は鼻が原因のことが多いのですが、片側の場合は歯に原因があることが実に5割程度あり得ます。あまり知られていないことですが、副鼻腔の中の上顎洞という部分が奥歯4本と近いところにあり、歯根に炎症が起きたまま放置していると鼻の片側だけ詰まることがあります。これが歯性上顎洞炎です。症状としては鼻づまりや、鼻水が喉を伝う後鼻漏(こうびろう)という症状があり、歯に原因がある場合は耳鼻咽喉科を受診してもなかなか完治しません。さらに重症化すれば鼻の内視鏡手術をしたり、問題の歯を抜いて詰まった鼻の自然孔をきれいに開いたりという外科的な治療が必要になります。歯性上顎洞炎の対処としては、原因となっている歯の治療をすることが先決です。予防するにも、日頃からむし歯にならないための歯磨きやメンテナンスが重要で、歯の痛みなど違和感があれば放置せずすぐに受診することが大切ですよ。

長谷川 義道 院長
AKuA Dental Clinic(アクアデンタルクリニック)
長谷川 義道 院長
港区/新橋/新橋駅
●歯科 ●歯科口腔外科
  • クレンチング症候群

コロナ禍をへて、飛躍的に増えてきたと思われる

原因はストレスにあると言われています。コロナ禍の状況下、食いしばり、特にクレンチングと呼ばれる歯ぎしりの一種が非常に目立つようになりました。歯ぎしりは、英語でブラキシズムと言いますが、このブラキシズムは3つに大別されます。1つはグラインディング。ガリガリと歯をこすり合わせてしまうもので、一緒に生活しているご家族の方の指摘を受けて発覚するケースが多いものです。次はタッピング。カツカツカツカツ、一定のリズムで歯を合わせるもので、これも周囲に音が聞こえます。最後にクレンチングですが、こちらについては歯を食いしばっているだけですから、音は聞こえませんし、周囲の人が気づくこともなかなかないのです。クレンチングがあると、顎周辺の筋肉がこわばったり、疲労感や一種の筋肉痛を感じることがあります。また常に歯を使っていることになるため、虫歯や歯周病が進行しやすく、詰め物がとれてしまうケースも珍しくありません。治療としては、接触している部分をエナメル質と同等程度の硬さのものに変える方法、またマウスピースによる治療や、お口のマッサージ、あるいはボトックス注射によるものなどがあります。顎関節症の方も多いですが、コロナ禍を経て、多くの方に見られる現象と言えます。

堀永 知義 院長
西新井Holi歯科(ホリ歯科)
堀永 知義 院長
足立区/梅島/西新井駅
●歯科 ●小児歯科 ●矯正歯科 ●歯科口腔外科
  • 歯周病

重度の場合は外科処置のケースも。検診と正しい歯磨きで予防を徹底する

歯周病とは細菌の感染によって口腔内の炎症が引き起こされるもので、歯茎や歯を支える骨が溶けてしまう症状です。日本人の成人のおよそ8割が歯周病と言われています。歯周病の原因は食べることによって溜まる歯垢で、ここに細菌が含まれています。ブラッシングが十分に行き届いていない状態が数か月続くと、バイオフィルムという細菌の膜が歯の周りにできてて、こうなると歯ブラシでは落とせなくなってしまいます。それが放置されると歯周病へと発展し、重度になると骨がなくなり歯が抜け落ちてしまうんです。歯周病の治療としては、歯石を除去して菌を徹底的に取り除くことです。清潔な状態にすることで炎症の進行が止まり歯茎が引き締まっていきます。重度の歯周病は歯茎を切開して奥の歯石を除去したり、溶けた骨を再生するための外科処置が必要になります。そうならないための歯周病の予防策としては、正しい歯磨きをすることが何より大切です。数か月に一度は歯科の検診を受けること、正しいブラッシングの指導を受けることで、早期発見と予防に努めることが肝要ですよ。

小松 雅之 院長
ブリストデンタルクリニック三郷
小松 雅之 院長
三郷市/下彦川戸/新三郷駅
●歯科 ●小児歯科 ●歯科口腔外科 ●矯正歯科 ●訪問歯科診療

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獣医師から聞いた
『動物の病気』の対処・治療方法

  • 猫の糖尿病

肥満が原因で起こる「猫の糖尿病」栄養管理と運動不足の解消が予防のカギ

糖尿病は、身体の中で血糖値を下げる働きのあるインスリンを作り出す機能が低下し、血糖値を適切に下げることができなくなる病気です。
猫の糖尿病は増えており、原因は肥満によるものが多いですね。肥満の程度に比例して糖尿病になりますから、体重管理はとても大切です。
糖尿病の多くの猫に特徴的なのは「食欲は落ちず沢山食べるのに体重が落ちること」。多くの飼い主さんはこの段階で気づいて来院されますね。血液検査をしてみると多くは血糖値が上昇しています。治療は食餌療法とインスリン投与です。インスリンの量の調整が必要なので、はじめは入院して治療します。
退院後は自宅で血糖値を測定し、インスリンを投与し血糖値が安定してくると全身状態は回復します。猫の場合はインスリン投与が必要なくなるケースもありますが、血糖値の推移を継続的に見ていかなければいけません。インスリンの分泌が再び減少すると症状が再燃する場合も多いので、生涯にわたって上手にコントロールをしていく必要があります。

加藤 規  院長
ただす動物病院
加藤 規 院長
横浜市港南区/芹が谷/上永谷駅
●犬 ●猫 ●ウサギ ●フェレット ●ハムスター
  • 犬の胆嚢粘液嚢腫

症状や合併症が出る前に、早期外科治療を選択するのも1つ

胆嚢は、肝臓で作られる胆汁という消化液を一時的に溜めておく袋状の構造物です。十二指腸へ食物が流れて来た時に、胆嚢が収縮し、中の胆汁が胆嚢につながっている管(総胆管)を通過し、十二指腸内に出され、食べ物が消化されるという仕組みになっています。
胆嚢内のサラサラした胆汁という液体が、ゼリー状にカチカチに固まってしまう病気が、胆嚢粘液嚢腫といいます。胆嚢粘液嚢腫になってしまうと、胆嚢破裂や胆嚢炎、また、この固まった粘液物質が十二指腸につながっている総胆管内に詰まってしまう、胆管閉塞が生じてしまうリスクが高くなってしまいます。上記のような合併症が生じた際に、元気や食欲低下、嘔吐、腹痛などの症状が認められる様になり、放っておくとグッタリした状態となり、亡くなってしまう怖い病気です。

粘液嚢腫になってしまうと、お薬でサラサラに戻すことはほとんど不可能で、外科治療による胆嚢切除が適応となります。以前は、粘液嚢腫による胆嚢破裂、胆嚢炎、胆管閉塞、黄疸といった合併症を発症した状況で手術することが多く、その場合の周術期の死亡率は20-40%(Pike et al,Worley et al 2004、Youn et al 2018)と報告されており、リスクが伴う手術でした。近年では、超音波機器の普及や機器の改善により、胆嚢粘液嚢腫が症状や合併症を生じる前に、偶発的に発見される事が増えて来たため、早期に外科治療を実施することにより、周術期の死亡率が2%と低くなっております(Youn et al 2018)。
日頃より、画像検査を含んだ健康診断を受けて頂くことは、とても良い事だと思います。もし、偶発的に粘液嚢腫の前段階である胆泥症が認められた場合は、上記の症状や合併症が出る事はないので、低脂肪食や利胆剤を試しながら、粘液嚢腫に進行していかないか、超音波検査を定期的に見て頂く事で良いと思います。もし、胆嚢粘液嚢腫まで進行してしまっていた場合、症状や合併症が出る前に、外科的に胆嚢摘出を選択するのも1つだと思います。

守下 建 院長
船橋どうぶつ病院
守下 建 院長
船橋市/海神/東海神駅
●犬 ●猫
  • 犬・猫の異物誤飲

リミットは3時間。胃の中に異物があれば回収可能だが、リスクはゼロではない

動物が異物を飲み込んでしまった場合、口から喉、食道を通って胃袋に落ち着きます。異物誤飲の発生からおおむね3時間以内、異物が胃の中にあることが確認できれば、異物を取り出す方法として3つの選択肢をご提案できます。

1つ目の方法は、薬剤の副作用を利用して異物を吐き出させる方法です。ごく簡単な方法のように思われるかもしれませんが、リスクがまったくないとは言えません。2つ目は内視鏡(胃カメラ)とピンセットを使って異物を取り出す方法、3つ目は実際にお腹を開いて異物を取り出す外科手術です。どちらも全身麻酔下で行うためにリスクがつきまとい、手術の場合は傷口から感染する恐れもあります。つまり、いずれの方法も何らかのリスクを伴うものですから「胃の中に確実に異物がある」ことを確認したうえで処置を行う必要があります。

このため異物を取り出す処置を行う前には、レントゲンやエコー(超音波)などの画像検査によって異物の有無、緊急性の有無を判断します。飲み込んだ異物の形状が鋭利なものであれば内臓を傷つける恐れがありますので、早急に外科手術をして異物を取り出す必要があるでしょう。一方で飲み込んだのがビニールやティッシュのようなものであれば、しばらく様子を見ることも一つの方法です。まずは「飲み込んだものは何か」「確実に飲み込んでいるのか」といった情報を集めることが大切になります。

飼い主様にお願いしたいのは、もし噛みちぎった破片を見つけたら受信時にお持ちいただくこと、異物誤飲が疑われる場合はためらわずに受診していただくことです。私たち獣医師はいつでも飼い主様の味方です。「飼い主様が目を離したせい」などと責めることは決してありませんので、大切なご家族様のためにもできるだけ早期の受診をおすすめします。

吉田一万 院長
DOG TOWN AZUSAWA CLINIC
吉田一万 院長
板橋区/小豆沢/志村坂上駅
●犬 ●猫 ●ウサギ ●フェレット ●ハムスター ●その他

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