総合的な観点から症状を鑑別していくことが大切
犬の常同障害のひとつとして手足を舐めたりかじったり、尻尾を追いかけ回したりといった行動を繰り返すことがあります。行動学的に言えば、何かしらのストレスによって異常行動が起こるという見方や、皮膚に何らかの病変が起こっているために起こる、という見方もある一方で、神経学的な感覚異常によって起こるケースも少なくありません。例えば、前足を氣にする場合、実際は首を痛めていて、神経の異常が前足の感覚異常につながっているケースもあります。また、柴犬に多いのですが、巻いている尻尾を振りますよね。それが尾骨を痛め、結果、尾を追っかけて回る、という行動につながるケースがあります。同じ行動を繰り返すという行為が、果たして心理的なものによるのか、身体的なものなのか、はたまた環境的な要因によるものか、総合的に観察し、診断につなげていくことが重要です。多方面から原因をとらえ、その上で改善しなければ、安定した状態に落ち着くことは難しいでしょう。
- 都岡動物病院
- 志田 蒔宣 獣医師 & 志田 有美佳 獣医師
- 横浜市旭区/都岡町/鶴ケ峰駅
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