胸のあたりに何らかの症状がみられたら医療機関の受診を検討してほしい
心房細動は不整脈の一つで、年齢を重ねるにしたがって発症する人が増える傾向のある病気です。加齢によって心臓の中にある左心房と肺とをつなぐ血管の継ぎ目の部分が不安定になることが心房細動の原因だと考えられています。
心臓が健康な状態であれば規則正しい電気信号のもとで心臓が動き、心臓から全身に血液が送られます。これに対して心房細動では異常な電気信号が消えないために心房が小刻みに震え続け、全身に送られるはずの血液が心臓の中に留まることになります。この血液はやがて血栓(血の塊)となり、何らかのきっかけで動脈に乗ると脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。こうした血栓を作らないように“血液をサラサラする薬”を服用すれば脳梗塞や心筋梗塞の予防につながります。しかし、この薬を服用すると出血が止まりにくくなりますので、処方には慎重な判断が求められます。
心房細動では、症状や患者さんの全身状態によって適切な治療法が選択されることが一般的です。早期に発見できれば薬物療法による治療効果が期待できますが、放っておいて慢性化してしまうと症状の改善が見込めなくなる恐れがあります。そのため、胸のあたりに不快感があったり「ドキドキする」といった自覚症状があったりする場合は、早めに医療機関を受診していただくとよいでしょう。
- 西武入間病院
- 野中 晴彦 院長
- 入間市/野田/仏子駅
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