「貧血の人は鉄分不足」とは限らない……?
貧血とは、何らかの原因でヘモグロビン値が下がっている状態を指します。ヘモグロビンが低下する理由はさまざまで、骨髄で何らかのトラブルが生じ、血液をつくる機能に異常をきたす、血液をつくる栄養が不足する、体内の異常な免疫反応によって赤血球が壊されてしまう、腎機能の低下により赤血球をつくるのに関係するホルモンが不足してしまう、など、鉄分不足以外の原因もたくさんあります。
貧血の症状として立ちくらみが知られていますが、実は立ちくらみは一時的な脳血流低下に起因することが圧倒的に多いです。多くの貧血は気がつかないうちにゆっくりと進むため、いいのか悪いのか体が貧血に慣れてしまい、よほど進行するまで無症状のことが大部分です。とはいえ、貧血というのは体が低酸素状態にあるということですから、血液検査をして診断をつけ、原因にあった治療を適宜行う必要があります。治療は、鉄剤、ビタミンB12、葉酸、造血刺激剤、ステロイド、輸血などさまざまです。
- イースト血液内科クリニック
- 白鳥 由実子 院長
- 江東区/亀戸/亀戸駅
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